いぬかみっ! featuring. Animation

ジャンル:テキストアドベンチャー
ハード:NINTENDO DS
任天堂公式

はじめに

プリンセスメーカーPS5版がシーン削除で盛り上がります令和5年、しかし歴史をひもときますと過去から連なる「任天堂ならOK」はあったのでございます。
カプコンより発売のkiller7というADV+3DSTGをご存じでしょうか?
内容は時々分岐ある一本道を歩き、ロックオン銃撃し仕掛けを解きます王道作品。マップ移動がレール式なのでロックオンと合わせ、実に視力を必要としない要素ある作品です(とはいえボス戦に手動エイム必要、英語のみのフルボイスなど壁はある)
そしてkiller7、PS2版とGC版が出ております。
当時CEROレーティングがそれほど賑やかでなかった自制も手伝って、各ハードメーカーが問題のありそうな表現を独自のガイドラインで「自主規制」するのが一般的でした。本作GC版はハード性能上の快適さ以上に、中途のムービーでなんと「ことをいたす」場面が描かれている、直接描写ではないにしてもPS2版の同シーンは無声。とても面白い話ではないでしょうか。
何が言いたいのかというと、そういうきわどい、もしくは面白い表現に寛容な任天堂マシンで表現の自由なゲームが動くならマルチタイトルは任天堂ハードにあって輝くケースは今後もあり、Switch2は実に捗るのではとの面白き大予想が働きます。
同時、それは、天然素朴などすけべさを多分に含みつつ人情物な本作いぬかみっ!!がDSで発売された事実について、それが果たされて本当に良かったとの感慨がこの枕を書きながら沸々と沸いてきましたもので少し書いて残しておこうと思った、そんな感じでしたすみませんでした。

作品概要

[DS電撃文庫 いぬかみっ! featuring. Animation]は、セリフ部分フルボイスのサウンドノベルです。
ライトノベル版(原作)をADVゲームとして再構成、演出し場面毎にアニメーションやグラフィック、SEにBGMを入れる、台詞部分はアニメ版と同じ声優さんによるフルボイス。1期と同時間軸で転回される物語は、尺の都合で省かれたと思われる場面が多分に含まれていることもありアニメから入った層も興味深く楽しめる内容です。

終わりに

本作はゲームなインターフェイスこそ実装していますが「乗り越えなければならん障害」がミニゲームにしかない状況を考えると、果たして「ゲームソフトなのか」ということには疑問が生じる部分があります。bが、本作についてはそれが良いようにも同時に思うのです。難易度の差こそあれ大小乗り越える物に満ちたコンシューマゲーム世界であります。近年の格闘ゲームではコンボ(特定の技を連続で繋げていくテクニック)の練習自体がチャレンジモードとして看板され練習+学習になれるよう出来ています。
それは勿論初心者と熟練者の壁を取り払う素晴らしい工夫ですが、それとは全く別のフィールドにて、競うことを一時忘れてただ面白く楽しい時間を過ごせる作品があっていいとも思うのです。
学ばずとも遊べるゲームの存在意義。例えばですが、本作で初めてサウンドノベルへ触れて基本がそれで体得されたなら、次は選択肢の実装された作品を遊ぶ。そういうチャートも素敵だと思うのです。「競技」としての要素が無くてもゴールあるタイトル、RPG然りADV然りには難易度がやはり存在する物。だからこそ本作のように、ボーンたるシステムのみで動作する作品を素晴らしく思う次第です。
本作のキャラゲな側面は、日頃はゲームをやらんのだなる人々への訴求という意味でも有効ですし、その意味でもすばらしい調整に思われます。
なので、根本は本当にただただ読むだけの本作。貴方のDS棚の1本にとりあえず置いておく、そういう感じでぜひお一ついかがでしょう。ヨーコ、可愛い。
   では、今日はこのあたりにて。      縮地…

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