黄昏に潜む梟と、明け方の昴
ジャンル:本格ミステリーADV
ブランド:エンターグラム
ダウンロード版入手先:Switch版 PS5版
はじめに
北海道旭川を舞台に繰り広げられる、ソーシャル即ち社会規模、街規模でのミステリー。
主人公を含めたフルボイス仕様、システムサウンド、システムボイスの実装から一度理解して初期設定を終わらせてしまえば安心してお楽しみ頂ける作品です。
動画にいたしましたのでぜひ本テキストと併せてご利用ください。
体験版を用いた初期設定ガイド、プレイフロー、セーブ手順の収録
製品版初期設定手順
製品版 クリア後解禁要素へのアクセス、トロフィーコンプリート手順
ゲーム中の基本操作
以下PS5版準拠、Switch版の情報は適宜括弧書きをし行ないます。
オートプレイ=L1ボタン(Lボタン)
messageの自動送りを行なうモードで、基本的にここをOnとして読み進めます。
上記の動画のようにここでオートモードの進行速度を最速にしておきますとあたかもアニメやドラマを愉しむが如き体験を頂けますので推奨いたします。
メニュー表示:四角ボタン(Yボタン)
上下に移動可能なシステムメニューが表示されます。もし台詞再生中なら中断停止されますので、丸ボタンやL1ボタンでオートモードを止めて台詞が止まってから四角ボタンを入力されると良かろうと思われます。
セーブ、ロード、環境設定、タイトル画面へ戻るなど実装。
メニュー項目を罰ボタン(Aボタン)で開くと軽く音声ガイドいただけるものがありますので視力の代わりと頂けるのではないかと考えます。
バックログ:三角ボタン(Xボタン)
既に読んだシーンを戻ることができる機能。
主に用いるのは2つ。シーンバックと台詞の再聴取。
上に移動するほど過去のシーン、罰 左 罰 でシーンバック。
バックログを上下移動後に一度だけ左を入力し、もしその場所に台詞があれば罰ボタン(Aボタン)で再生可能です。
ほんと皆全員無事でいてくれと
ジオタグ、VPN複数経由でのアクセス、オープンソースインヴェスティゲーション、多様性の議論(カウンター論を包含するフェアネス)。
現代劇として丁寧に慈しむように取り上げられた題材へのリスペクトを満載され筆される物語は、ただ考証が丁寧のみで終わるものではありませんでした。
平和にしかし真面目に暮らす学生の日常として、個人の事情はただの個人の事情でありまずはその平和なグループ交友を愉しんでいる様子は尊いのであります。
それが壊される理由なのですが、たとえば雪山のペンションに閉じ込められ、或いは孤島で嵐に遭い、あるいは豪華客船で漂流し、といったクローズドサークル…
ではなく、社会規模で来るのですから凄まじい。
簡単に申しますと反社会的勢力が敵対先として描かれます。
そのさじ加減も素晴らしく、本当に描いてしまったらえらいことになるのをぎりぎりそうとならないさじ加減で描き、お茶の間エンタメとして娯楽として楽しめる範囲を行ないつつも、その範囲の中では決して遠慮をしない描写が本作に与えたポジティブな影響は計り知れないものでした。
無事であってくれと願い主人公の行く末を案じる心情となれる、その筆の力に感謝を捧げます。
描かれている社会悪の丁寧な描写から、故あって世に行なわれた本作と思います。本作がこのまま終わってほしくありません。
続編を希望します、心から希望します
かまいたちの夜 という作品がございます。
サウンドノベル、選択分岐で物語が変化する様子を愉しみつつ結末へ向けて進行できる作品でした。
うみねこのなく頃に という作品がございます。
魔女幻想(ファンタジー)にカバーされた内側の実態は何だったか、そこを推理することそのものをさえ考えるモラルをプレイヤーに想起して頂ける凄まじい圧力の作品。が、選択分岐はなく、1本道のシナリオを読み進めることとなります。
本作とこれら2作の内容を比べて何々、という話ではないのです。
タイトルが、長い。「黄昏に潜む梟と、明け方の昴」、長すぎるのであります。本当にこれがただただ勿体ない。
もし本作のタイトルが「明け方の昴」だけであったらばどれだけ訴求に有利でしたことでしょう。
タイトルがもしも「雪山のペンションと、かまいたちの夜」や「六軒島の右代宮家と、うみねこのなく頃に」となっていたらと考える。何が問題かというとタイトルが長いと話題に上がりにくいのは避けられないのであります。
なので皆様、買ってください。本作がこのまま埋もれてゆくのはあまりにも辛い。
本作も選択分岐が存在しません。なのでただ読むのみ。
本作でエンターグラムADVの基礎を体験頂けましたら、ユースティア、エヴァーメイデン、同社の様々な作品を今後プレイされる上で役立つ体験をとても自然に頂けることと確信いたします。
短いですがとても丁寧に作られた本作、ダウンロード版は3,300円です。電子書籍と比べれば高いですが、丁寧なサウンドにBGMにフルボイス。トータルのクオリティを体験されましたら決して法外ではないと感じて頂けると確信しております。ぜひ体験版も含めてお試しください。